4.6 礼節をもって接する心

 日本の稽古事において、「礼に始まり礼に終わる」と言われています。
 稽古事には、茶道や華道などの芸事、柔道や剣道の武道があります。

 ここでいう「礼」は、礼節のことです。
 「礼節」とは、家庭、組織、社会のそれぞれが秩序を維持するための礼儀作法や節度ある態度や行動のことです。礼儀作法や態度・行動には一定の規則が定められています。

 「礼節をもって接する心」とは、人に接するに時に礼儀正しくして、適度ある態度や行動をするように心がけることです。
 礼節の心の例をいくつか挙げてみます。
 ・挨拶をきちんとする。
 ・相手をみて話す。
 ・話しかける時は、相手の受け入れ状況を確認して話す。
 ・返事は、はっきりする。
 ・相手の意見を否定しない。
 ・人が話しているのに割り込まない。
 ・言葉づかいを丁寧にする。
 ・身だしなみを整える。
 ・相手の尊厳を傷つけない。
 ・おごらず、謙虚に人と接する。
 ・感謝の気持ちを持つ。
 ・待ち合わせ時間など約束を守る。
 ・人の悪口を云わず、嫌がらせをしない。

 なぜ、礼節をもって接する心が必要かということです。
 それは、人間関係を良好に築き、相互信頼の絆を作るために必要だからです。

 自分の言動や仕事などを指摘されますと、瞬間的にかーっとなって怒る人がいます。
 自分を育ててくれている感謝の心に欠けていると言わざるをえません。指摘されたことは、自分を育ててくれる恩師の言葉が含まれています。
 時には、自分の至らないことを助けてくれる助っ人を教えてくれることもあるかもしれません。