4.5. 学べる心

 「学ぶ」とは、教わることです。
 「学べる」とは、学んだことが身につくことです。学んだだけでは、身につかないことがあります。学んだことを何回も工夫して、身につけていくことです。

 古典・礼記に『玉琢(みが)かざれば器を成さず、人学ばざれば道を知らず』という文があります。玉は磨かなければ、立派な器になりません。どんなに素晴らしい才能のある人であっても、努力を積み重ねないと本当に知っているとは言えないことになります。

 小説宮本武蔵の著者吉川英治は、「会う人、出会うもの、すべて我が師なり」と、名言を残しています。出会うものとは、街角の風景であったり、自然の景観などすべて森羅万象のことです。
 それには、前述の「やる気の5C」の一番面にあるチャンス、即ち気づきや好奇心が重要な鍵となります。

 人は自分が知っている物事を他の人に教えることは、そのことに関して自分が勉強できる機会となります。それなりに相手に理解してもらう工夫と努力が要ります。

 また、『人の振り見て我が振り直せ』という言葉があります。この意味は、他の人の態度、行動、言葉などを見て、自分を見直すことです。他の人のよいところをまね、悪いところはしないようにします。そして、自分を磨いていくことになります。

 更に次の言葉があります。これは、何人かの合作のようです。
 『環境が変れば心が変る。
  心が変われば 態度が変わる。
  態度が変われば 行動が変わる。
  行動が変われば 習慣が変わる。
  習慣が変われば 人格が変わる。
  人格が変われば 運命が変わる。
  運命が変われば 人生が変わる。』