25-38 「北風と太陽」の逆転の発想

 暦の上では、12月から冬です。
 この冬は、特に寒い北風が強く吹くかもしれません。

1. 「北風と太陽」の物語
 「北風と太陽」の物語は、イソップ寓話の一つです。
 物語のあらすじを紹介します。
 ある日、北風と太陽とがどちらが強いかを競い合いました。「通りかかった旅人が着ている上着(コート)を脱がせたら勝ちとする」ことを決めました。
 北風は、強く冷たい風を旅人に吹きつけます。旅人は寒さに耐えようとして、上着をしっかり押さえて身にまといます。北風は上着を脱がせることに失敗します。
 太陽は、暖かい日差しを優しく徐々に強く照らします。旅人はだんだんと暑くなり、ついに上着を脱ぎます。
 結果は、太陽の暖かい光で勝ったのです。

2. 寓話の教訓
 「北風と太陽」の物語から、次のことが言えます。
 北風:力、激しさ、強制
 太陽:優しさ、思いやる、自発性
 このことは、対人関係、家庭、育児や子育て、教育、仕事、外交などに太陽ような「優しさ、思いやる」ことで信頼関係が築けると言えます。

3. 競い合う対象を反対にしたらどうか
 「北風と太陽」の物語のように競い合う対象を「上着を脱がせる」から「上着を脱がせない」とすることに物語を変えたらどうなるでしょうか。
 そうすると北風が勝利するでしょう。

 このように常識と違う非常識の発想が大きな発見につながることがあります。
 世の中には、このように二面性が同時にあると思います。 

 例えば、重厚長大から軽薄短小の時代だと言われた時代がありました。現在でも従来の重厚長大の企業は存続しています。
 重厚長大の例としては、橋梁、高速道路、船、航空機、ロケット、発電所などがあります。
 軽薄短小の例としては、家電製品、電子機器(集積回路、携帯電話、パソコン)などがあります。

 世の中には、このように「逆転の発想」で、新たな価値観を生み出しています。

 自分が関心のあることの一つに、発電方式を原発(原子力発電)から核融合発電に変換することです。核融合発電は放射能を発生しません。ボタン一つで、発電・停止が瞬時にできます。
 核融合とは、太陽の表面で発する光と同じ6000℃を人工的に作り、これを電気エネルギーに変換します。まだまだ論理的な構築ができていません。
 高市政権では、10年後の2035年に核融合発電の実現を目指すそうです。世界初となります。楽しみにしています。