1. ウエルネスとウエルビーイングとは何か
最近、新聞にウエルネス(wellness)とウエルビーイング(well-being)という言葉を見かけます。
1.1. 英語辞書
ウエルネスとは、「健康」
ウエルビーイングとは、「幸福、福祉」
1.2. 世界保健機関(WHO)の憲章
健康の定義とは、「肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない」とあります。これは、ウエルビーイングの定義のようです。
1.3. ウエルネスとウエルビーイングの違い
違いの主要事項を次表で示します。
| 違い | ウエルネス(行動) | ウエルビーイング(状態) |
| 意味 | 健康になる行動 | 幸福の状態 |
| 内容 | ①体が健康になる行動 ②心が健康になる行動 ③自律神経を整える行動 | ①体の健康がよい状態 ②心の健康がよい状態 ③経済生活がよい状態 ④社会生活がよい状態 ⑤福祉享受がよい状態 ⑥自己実現がよい状態 |
次にウエルネス、ウエルビーイング別に説明します。
2. ウエルネスの説明
2.1. 体が健康になる行動
体とは肉体のことです。「体が健康になる行動」は、バランスのよい食事を摂り、適度の運動を行ない、ぐっすり眠る、風呂に入り体を清潔にすることだと言えます。
一人で行動ができて、転ばないように歩け、気分よく動けるように体を整えられるようにすることです。
2.2. 心が健康になる行動
心とは、目に見えるものではありません。知情意のことです。
知は知性のことで、知識、思考、判断力のことです。物事を分析や認識をします。
情は感情のことで、喜怒哀楽、好き嫌い、感謝、思いやる気持ちのことです。他人と共感する能力があります。
意は意志のことで、意欲、決断、実行することです。正しい判断をして行動します。
2.3. 自律神経を整える行動
① 自律神経とは
自律神経は、呼吸、心拍・血圧、消化、体温・汗などを、無意識的に生命活動を維持するための神経系の仕組みです。体と心が不調にならないように、調整します。
自律神経には、一般的に昼の活動時に作用する交感神経と夜の休息時に作用する副交感神経があります。
② 自律神経が乱れることについて
交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなると、身心に不調が現れやすくなります。
不調の例として、だるくなる、頭痛、めまい、不眠、胃腸の不調、動悸や息苦しさ、便秘・下痢、冷え・のぼせ、気分の落ち込みなどがあります。
それは、ストレス、不規則な生活、季節の変わり目などにより自律神経が乱れます。
③ 身心に影響を与えるストレス
⑴ ストレスの要因
ストレスは、外部からの刺激によって生ずる身心の緊張のことです。大きく分けて三つの要因があります。
・ 物理的・化学的要因:暑さ・寒さ、騒音、振動、公害など
・ 身体的・生理的要因:疲労、睡眠不足、病気、怪我など
・ 心理的・社会的要因:人間関係の悩み、家庭環境の変化、地域環境の変化、金銭的な問題、仕事環境の変化や仕事のミス・など
⑵ ストレスの表情
ストレスが現われる表情三つあります。
・ 身体面:頭痛、肩こり、動悸、胃痛、腹痛、食欲低下、便秘・下痢、不眠など
・ 心理面:イライラ、不安、落ち込み、無気力、集中力の低下など
・ 行動面:暴飲暴食、飲酒量・喫煙量の増加、仕事のミスなど
⑶ ストレスになりにくくする方法
時にはタイパ(時間効率)から離れて、のんびりすることです。
身近でのんびりするには、散歩をする、趣味などの好きなことをする、音楽を聞く・歌う、テレビを見る、ラジオを聞く、本を読むなどがあります。
3. ウエルビーイングの説明
3.1. 体の健康がよい状態
体の健康がよい状態は、病気になりにくい肉体の状態です。
そのためには、日頃から調和のとれた食事、体の疲れが取れるような十分な睡眠、有酸素運動や筋トレ、太陽に当たる、風呂などに入り1日のよごれを落としてさっぱりします。
3.2. 心の健康がよい状態
心の健康がよい状態は、悩みや苦しみから抜け出して、知性、感情、意志を活かして自分の責任で選択、行動することです。
3.3. 経済生活がよい状態
経済生活がよい状態は、収入と支出の調和がとれ、自分の能力開発、趣味、静養などに投資する余裕があることです。
3.4. 社会生活がよい状態
社会生活がよい状態は、自分が自立と自律し、他者とのつながりが良好で、安心して暮らせることです。
3.5. 福祉享受がよい状態
福祉とは、すべての人々が幸せで、快適な暮らしが送れるように、社会全体で支援する仕組みや活動のことです。
福祉享受がよい状態とは、次の内容を満たすものです。
① 定期的または身心の不調の時に医療機関が身近にあり、健康保険の適用を受けられる。
② 積み立てた年金などが受け取れる。
③ 身近なところに食料品や日用品を買える店がある。
④ 身近なところに公共の交通手段がある。
3.6. 自己実現がよい状態
自己実現がよい状態は、主体的に世の中に貢献できる事柄を選択し挑戦し続けることと、自分の能力向上を図るための勉強をすることです。
■最後に
「幸福」の反対語として、「辛酸」という言葉があります。
「幸福」の「幸」と「辛酸」の「辛」は、上部の「一」が有るか無いかです。
「辛い」ことを何らかの方法で切り抜けて、「幸い」に転じることができます。そして、その人なりの輝いた人生を送るよう努力することでしょう。
しかし、人はいつともなく加齢に伴って身心などが衰え、天寿を全うします。

