26-7 骨粗しょう症と栄養素

 近頃、高齢者の友人に起きた骨折の例を挙げます。
① 買い物カートを押していたら、突然倒れました。動けず、救急車で病院に運ばれ,大腿骨が折れていたので手術をしました。
② 家の階段をおりていたら転がり、肩の骨を折り、長いことギブスをしていました。
③ 家の二階の踊り場から階段を一階まで落ちました。肋骨が全部折れ、3ヶ月ほど病院に入ってました。

1. 骨粗しょう症とは
1.1. 骨粗しょう症とは
 骨粗しょう症(こつそしょうしょう)とは、骨の量(骨密度)が減り、骨の質が劣化し、骨がもろくなって骨折しやすくなる状態です。ちょっとした転倒やくしゃみ、重いものを持っただけで、骨が折れる人もいるそうです。
 日本では、約1,000万人以上が患っています。

1.2. 骨粗しょう症の本質
 骨は常に「骨を壊す(骨吸収)」と「骨を作る(骨形成)」を繰り返して生まれ変わっています。
 骨粗しょう症は、このバランスが崩れ、骨吸収が優位になることで骨がスカスカになることです。
 骨を壊す(骨吸収)には、骨量と骨質の二つが関係します。
 骨量は骨密度の低下と関係があり、骨質は骨の内部構造の劣化に関係があります。

 「骨の強さ=骨量+骨質」となります。

 日本人の骨粗しょう症の患者の骨の強さは大雑把に次のような割合になっているそうです。
  骨量の低骨密度  約3割
  骨質の劣化    約5割
  上記2つの合併  約2割

 この骨の強さは、家で言えば耐震基準に適合するかどうかです。耐震基準に合格していないと、安全で安心して住むことができないでしょう。

1.3. 骨粗しょう症の主な原因
① 加齢
 加齢とともに骨を作る細胞の働きが弱くなり、骨の強さが弱くなります。
② 女性ホルモン(エストロゲン)の低下
 女性は閉経後に急激に骨吸収が進みやすくなります。
③ 栄養不足
 カルシウム・ビタミンD・ビタミンKなどが不足すると骨の材料が足りなくなります。
④ 運動不足
 運動不足に伴い、骨に適度な負荷がかからなくなり、骨形成が促されません。
⑤ 病気や薬の影響
 ステロイド薬の長期使用、甲状腺・副甲状腺の病気、吸収不良症候群などで骨がもろくなります。
⑥ 喫煙や過度の飲酒
 喫煙や過度の飲酒は、骨をもろくします。

2. 骨粗しょう症の症状
2.1. 沈黙の疾患
 骨粗しょう症は、痛みなどの自覚症状がほとんどありませんので、「沈黙の疾患」と呼ばれています。よって「骨折する」、「身長が縮む」ことで、骨粗しょう症と気がつきます。

2.2. 主な症状
① 骨折
・ 軽くころんだだけで骨折する。
・ 手首を骨折する。
・ 太ももの付け根(大腿骨頚部)を骨折する。
② 身長が縮む
・ 背骨が押しつぶされるの圧迫骨折が起きると、身長が縮んだり背中が丸くなる。

2.3. 特に多い骨折
・ 手首
・ 背骨
・ 大腿骨

3. 予防
 骨粗しょう症は、予防が大事です。
① 転ばないように注意する
② 転倒防止(室内環境の整備)
 障害物を撤去し、手すりを設置する。
③ 食事
 骨を強くする栄養素の例を示します。
・ カルシウムは骨を強くするので、牛乳、小魚、小松菜、豆腐など。
・ ビタミンDはカルシウムを吸収しやくするので、魚、きのこ類など。
・ ビタミンKは骨の形成を活性化するので、海藻、納豆、モロヘイヤ、ブロッコリーなど。
・ たんぱく質は骨の弾力を保つので、魚、肉、大豆製品、卵など。
④ 運動
 適度のウォーキングや、筋トレなどをする。
 特に、骨に「適度の衝撃」を与える運動をする。例、かかと落し、ジョギング、早歩き、階段の昇降、スクワットなどがある。
⑤ 日光浴
 日光浴をすれば、ビタミンDが生成される。1日15分~20分程度。
⑥ 禁煙・節酒
⑦ 検査
 高齢者は、「骨密度検査」は受ける。
 男性は70歳過ぎたら、女性は閉経(50歳前後)にするといいと言われている。

■■■ 栄養素の概要一覧
 骨粗しょう症と直接関係がある栄養素を黄色でマークしました。

 この栄養素の概要一覧は、食生活の改善に役立つと思います。

栄養素 大区分 機能 食物例
炭水化物 ●五大 栄養素   生命を 維持す るに必 要な栄 養素 身体を動かすエネルギー。ブドウ糖は脳に必要なエネルギー源 ご飯・パン・麺類などの穀物。 じゃがいも・さつまいもなどのいも類。砂糖など。
たんぱく質 筋肉や内臓、皮膚、髪などの身体を作る。 免疫力を高め、神経の働きを助ける。 動物系:肉、魚、卵、乳製品など 植物系:大豆製品
脂質 身体を動かすエネルギー。 細胞膜や神経組織、ホルモンの材料になる。 動物系:油脂製品、乳製品、肉、魚 植物系:油脂製品
ビタミン 水溶性ビタミン
エネルギー代謝(B群)
コラーゲン生成(C)
  ビタミンB群:黄緑野菜、肉、レバー、魚介類 ビタミンC:果物
脂溶性ビタミン
視覚・皮膚(A)
骨の代謝(D)
抗酸化(E)
血液凝固(K)
  ビタミンA:レバー、にんじん、ほうれん草
ビタミンD:鮭、サンマ、きのこ ビタミンE:ナッツ、アボカド、植物油
ビタミンK:納豆、緑黄色野菜
ミネラル 身体の調子を整え、・歯、血液のもとになる。 海藻、ナッツ、魚介類、豆類など
食物繊維 第六の 栄養素 整腸作用。 穀類、海藻、きのこ類、野菜など