1. 高齢になるほど高血圧になる割合が増える理由
血管は、拡張と収縮を繰り返して、血液を心臓から末梢血管まで送り出しています。高齢者は、血管の弾力性の劣化や自律神経の低下などで、高血圧になりやすくなります。その特徴は幾つか列記します。
① 血圧が高くても、脳への血流が弱くなる。
② 糖尿病などがあると、高血圧になりやすい。
③ 塩分の摂取量が増えて、高血圧になりやすい。
④ 部屋間・脱衣所・風呂の湯温などの温度差により、急に血圧が高くなって脳卒中や心臓病を起こしやすい。
⑤ 夏の暑さで体温が上がり、血管が広がり、皮膚の血圧が下がり、体温が下がります。これに伴い血管の血流が低下し、めまいや失神症になりやすい。水分不足になると熱中症になりやすい。
2. 高血圧の基準値
日本高血圧学会では、年齢に関係なく、高血圧の基準値を決めています。それは、最高血圧を140mmHg以上、または最低血圧を90 mmHg以上です。
血圧測定で、最高血圧または最低血圧が前記の基準値に入る回数が多ければ、高血圧と診断されるそうです。
3. 血圧を高血圧の基準値未満にする運動
着眼点は、脳への血流を良くすることです。それには、首まわりをほぐす運動をします。必要により、1日何回か行ってもいいです。
3.1. スマホやパソコンに向かう姿勢
スマホやパソコンに向かう姿勢が悪いと血行が滞る傾向があります。前かがみを止めて、スマホやパソコンを極力目に近い高さまで上げて見ることです。
新聞や本を読むのも、同じです。
3.2. ストレートネックの矯正
ストレートネックは、首が前に傾いていることです。その原因は、スマホやパソコンを長時間みていると、自然に首が前かがみになります。これを矯正するには、頭、首、背中につながる筋肉を柔らかくします。
① 肩まわし
両肩を同時に、「前に倒す→上に上げる→後ろに倒す→元の位置に戻る」の順にゆっくりと、5回ほど回します。次に逆に肩を回します。
② 肩落し
両肩を同時に、上に上げて、5秒ほど保ち、両肩をストーンと落とします。これを5回ほどします。
③ 首回し
首をゆっくりと大きく「前に傾ける→左横に回す→後ろに回す→右横に回す→前に回す」の順に回し、3回ほど回します。次に逆に回します。
④ 首の横倒し
首をゆっくりと左に大きく横に倒して、10秒ほど保ち、元に戻します。これを3回ほどします。次に反対方向に倒します。
⑤ 首の前後倒し
首をゆっくりと大きく前に倒して、10秒ほど保ちます。これを3回します。次に後ろに倒します。
⑥ 首の斜め倒し
首をゆっくりと大きく斜め左前に倒して、10秒ほど保ちます。これを3回繰り返します。次に斜め右に倒します。
首をゆっくりと大きく斜め左後ろに倒して、10秒ほど保ちます。これを3回繰り返します。次に斜め右後ろに倒します。
これらのことを一度に行うと時間が無いとか、落ち着いてできないなどで、続けられないことがあります。空いた時間を活用するのもいいでしょう。
自分は、上記の①や③を時間が取れたら、一日何回かすることもあります。
3.3. 血圧を測る時の注意
椅子に座って、いきなり血圧を測らないことです。
両肩や顔ができるだけ前かがみにならないようにします。
その状態で、息を吸って、息をゆっくりと吐きます。これを3回から5回程度おこないます。
血圧は、1分~2分程度空けて測ります。
4. 高齢者の血圧
前記「2. 高血圧の基準値」について疑問を感じています。
ある程度の高齢者については、最高血圧の値が時に150mmHg台になることがあっても、薬を飲まずに元気な方がいます。
加齢による高血圧の値を変えてもいいのではないでしょうか。