25-8 健康と免疫力

1. 健康と病気

 健康とは、肉体的、精神的(心の作用・ストレスを含む)、社会的(経済・交流を含む)の三つが良好な状態だと思います。
 その反対は病気です。その病気とは、健康でない状態と云えます。この病気とは、単なる医学的な病気の範囲にとどまりません。

2. 免疫について
2.1. 免疫とは
 免疫(めんえき)という言葉は、疫を免じるということです。疫とは病気のことで、免とはまぬがれるとか、のがれることです。よって、免疫とは、細菌やウイルスから身体を守る防御の仕組みと云えます。
 そのため、免疫には攻撃・抑制・記憶の三つの機能があります。

 また、風邪を引く、感染症にかかることがあっても、医者が言うより早く治ることがあります。その人は、免疫力が高いということになります。

2.2. 免疫の仕組み
 免疫の仕組みは、免疫細胞が自分と異なる抗原を見つけるとそれを退治し、身体の健康を維持します。
 免疫細胞は、骨髄で作られ細胞で、体内移動します。
 抗原は、身体の外部及び身体の中で発生する細菌やウイルスです。

2.3. 機能別の免疫細胞
 骨髄で作られる免疫細胞は、移動しながら機能別の免疫細胞が作られます。骨髄系」と「リンパ系」の細胞に大別されるそうです。

 骨髄系の免疫細胞は、自然免疫系のことで、全身的な感染症が起きた時きに、自発的に生成されます。
 リンパ系の免疫細胞は、獲得免疫系のことで、特定な抗原に対して抗体を作って攻撃します。
 自然免疫が弱る一番の理由は加齢です。

3. 免疫力を高めるには
3.1. 老化を遅らせる
 加齢と老化は違います。
 「加齢」は、生まれた時点からどれだけの時間が経過したかのことを云います。
 「老化」は、加齢に伴って、備わっている機能の低下、病気にかかりやすくなる、ストレスになりやすくなることです。それを遅らせるためには、免疫力を高めることが必要となります。

3.2. 免疫力を高める栄養ある食事をとる
 この栄養とは、その人によって見合うバランスがとれた食事を摂ることです。
 この食事は、主食、主菜、副菜を三種類の食材をそろえるとよいです。
 主食には、ごはん、パン、麺類があります。主菜には、魚、肉、大豆製品があります。副菜には、野菜、果物、きのこ、ナッツ類、海藻類、飲み物があります。

 免疫細胞の70%は腸に存在するそうです。それには、善玉菌を活性化させて、腸内環境を良くする食材を摂ることです。どんな食材があるかです。
 発酵食品、食物繊維を多く含む食材、抗酸化作用の強い食材があります。

① 発酵食品の例
 発酵食品とは、微生物の働きによって、発酵した食品のことです。
【パン類】食パンなど
【豆類】 豆類:納豆、豆腐など
【乳製品】ヨーグルト、チーズなど
【調味料】醤油、味噌、酢、みりんなど
【野菜類】ぬか漬け、キムチなど
【魚介類】鰹節、塩辛、くさやなど
【肉類】 肉類:生ハム、ドライソーセージ、サラミなど
【酒類】 日本酒、焼酎、ビール、ワインなど

② 食物繊維を多く含む食材の例
【穀類】 玄米、胚芽米、麦めし、とうもろこしなど
【芋類】 さつまいも、里いも、こんにゃくなど
【豆類】 大豆、納豆、おから、うずら豆、あずきなど
【野菜類】ごぼう、ふき、セロリ、アスパラガス、青菜類、キャベツ、白菜など
【果物類】柑橘類(みかん、グレープフルーツなど)、バナナ、うりなど
【きのこ類】しいたけ、しめじ、えのき、きくらげなど
【海藻類】わかめ、ひじき、寒天、ところてんなど

③ 抗酸化作用の強い食材の例
 抗酸化物質は、活性酸素から体を守り、細胞の傷害を防いでくれるそうです。
 代表的な抗酸化物質としては、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、カロテノイドなどがあります。この抗酸化物質を多く含む食材を次に示します。

・ビタミンA
役割 視覚の健康保持、皮膚・粘膜の潤い、免疫機能の正常化維持
食材 【肉類】レバー、豚など
   【魚介類】うなぎ、あんこう、あゆなど
   【野菜類】ほうれん草、にんじん、かぼちゃなど
   【その他】のり、抹茶など

・ビタミンC
役割 皮膚や粘膜の健康維持、免疫力の強化
食材 【野菜類】パプリカ、ブロッコリー、芽キャベツ、菜の花など
   【いも類】じゅがいも、さつまいもなど
   【果物類】オレンジ、キウイフルーツ、グレープフルーツ、いちごなど

・ビタミンE
役割 抗酸化作用で細胞保護、血中に流れを円滑化、生殖機能を正常化
食材 【油脂類】ひまわり油、オリーブオイル、大豆油などの植物油
   【種実類】アーモンド、ナッツ類など
   【魚介類】はまち、さばなど
   【野菜類】大豆、カボチャ、玉ねぎなど

・ポリフェノール
役割 ポリフェノールは、色素、香り、苦味や渋味の元になるもの。
   抗酸化作用やホルモンの働きを促進する
食材 【野菜類】玉ねぎなど多くの野菜に含まれている
   【果物類】プルーン、オレンジ、グレープフルーツなど
   【香辛料】緑茶、紅茶、コーヒー、ココア、ワインなど

・カロテノイド
役割 抗酸化作用、光合成の補助色素、細胞間情報伝達、視覚機能維持
   紫外線による肌への刺激緩和
食材 黄色、オレンジ、赤色の食材に多く含まれている
   【野菜類・果物類】ニンジン、ほうれん草、カボチャ、トマト、柿など
   【魚介類】さけ、えびなどの赤身の魚介類

3.3. 五快
 このホームページにある「体の健康」の「五快」の記事を見てください。