26-4 変化を楽しむ

1. 変化と
1.1. 変化の意味
 新明解国語辞典(第三版)によれば、変化の意味は「時間的・空間的な推移によって物事の性質や状況などに違いが現れること」とあります。
 この変化を自分という個人を中心に、時間の推移に見ることにします。個人の変化、世の中の変化、自然現象の変化の三つにまとめてみました。

1.2. 三つの変化の内容
① 個人の変化
 個人の変化には、個人のその時々において、内部的な変化と外部的な変化があります。
 内部的な変化は、心身の健康状態の変化です。心の健康状態は心の持ち方であり、身体の健康状態や外部的な変化の影響を受けます。
 外部的な変化は、外部からの刺激による変化です。その人が置かれている環境や状況の変化、人間関係の変化、仕事関係の変化、そして次項の「世の中の変化」「自然現象の変化」などがあります。

② 世の中の変化
 世の中の変化には、政治、経済、社会、技術に関する変化などがあります。
 この四つの内容を説明します。
 政治とは、選挙・政権交代・政策、法律・規制、税制・補助金、外交、貿易政策など。
 経済とは、景気動向、金利・為替、物価(インフレ・デフレ)、購買力、雇用状況、失業率など。
 社会とは、価値観、人口動態・少子高齢化、ライフスタイル、教育、文化、宗教など。
 技術とは、AI・DX、技術革新、インフラの進化、R&D(研究開発)の動向など。

③ 自然現象の変化
 自然現象には、季節の変化、生態系の変化、自然環境の変化、気象現象の変化、自然災害による変化などがあります。

2. 変化に対応する
2.1. ダーウィンの考え方
 進化論を唱えたダーウィンの考え方を表現したという言葉があります。その言葉は、
「最も賢い者や最も強い者が生き残るわけでなく、
 最も変化に適応できた者だけが生き残る。」

2.2. 外部的な変化は何時起きるか分からない
 その人を取りまく環境は絶えず変化します。変化に応じて対応することになります。
 即ち、「人生は川の流れのように絶えず変化している」のです。
 800年ほど前の『方丈記』という書物があります。これは、鎌倉時代前期の鴨長明(かもの・ちょうめい)の著書です。1212年頃にできたそうです。
 長明は、京に住み、方丈庵で隠遁生活をしながら「方丈記」を綴りました。方丈庵は、「足るを知る」のように狭い家です。
 内容は、災害や世の中の儚さを描かれています。不易流行が織りなされています。
 『方丈記』の冒頭の三文章を紹介し、解説します。
・ ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
 流れゆく川の水は絶えることがなく、しかもそこにあった水は新しい水に入れ替わる。
・ よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまりたるためしなし。
 流れが止まる水面に浮かんだ泡は、すぐ消えて他の水に混じり長く留まることがない。
・ 世の中にある人と栖(すみか)と、またかくの如し。
 人の一生と住むところも、川の流れや泡のように儚く移り変わって行く。

3. 変化を楽しむにはどうするのか
3.1. 基準を持つ
① 心の持ち方の基準を持つ
 倫理観などに基づく善い心を持ち、愚痴や不平不満を言わないで、思いやりの気持ちを持つことだと想います。
② 心身の健康
・ 心の健康には、人間的健康、情緒的健康、知的健康、社会的健康の四つの要素があります。
 人間的健康とは、いきいきと自分らしく生きることことです。
 情緒的健康とは、何らかの事柄に五感で感じ、感情を表現することです。
 知的健康とは、何らかの事柄が起き、その状況を把握し、対策を講じ、行動することです。
 社会的健康とは、他人や社会との関係に善い関係を築くことです
・ 身体の健康は、日常の生活において身体が自由に動けることです。

3.2. 変化をいつ楽しむのか
 変化を楽しむには、現在と未来があります。
① 現在を楽しむ
・ 現時点で自分が生かされていることに感謝し、現在を楽しむことです。
・ 他の人からいただいたことやしてくれたことに感謝の意を表します。これは当然です。
・ 本人が何かを達成出来たことを喜ぶこともあります。
・ 自然の景観を見て季節の移り変わりとか、道を歩いて五感に感じることを楽しむこともできます。そういうことを感じる意識を持たないと楽しみません。
② 未来を楽しむ
・ 自分の成長を楽しむ:これは、その人の足りない事柄を善くするための目標を掲げて取り組み、その目標を達成にむけて楽しむことです。
・ 人の役に立つことをして喜ばれたことを楽しむ:これは、困っている事柄を善くするための目標を掲げて取り組み、その事柄が達成して喜んだ人をみて、楽しむことです。

3.3. 作者不詳の言葉
 心が変われば態度が変わる。
 態度が変われば行動が変わる。
 行動が変われば習慣が変わる。
 習慣が変われば人格が変わる。
 人格が変われば運命が変わる。
 運命が変われば人生が変わる。