25-37 運鈍根

 今回の記事は、前回の「無用の用とノーベル賞受賞者」の続きです。

 ノーベル生理学・医学賞受賞の大阪大学の特任教授・坂口志文さんとノーベル化学賞受賞の京都大学の副学長・北川進さんは、「運鈍根(うんどんこん)」の大切さを述べています。

● 運鈍根について
 運鈍根とは、物事が成功するために必要な要素で、「鈍と根で運がついてくる」というものです。
 鈍は、周りに流されない鈍感さ、鈍いくらいの辛抱強さ、粘り強さのことです。ウサギとカメの物語のように粘り強く努力し続けたカメが勝ちます。
 根は、根気よく努力することであり、困難な時でも続ける気力のことです。エジソンは、1万回の実験をして、電球のフィラメントを開発したと言われています。
 運は、思いがけなく助けてくれる人との巡り合い、思いがけない偶然の発見をするなど幸運に恵まれることです。

● 運鈍根の由来
 運鈍根は、「三方よし」の近江商人の教えとされていますが、その由来ははっきりしません。
 明治時代に、古河財閥の創始者で実業家の古河市兵衛(ふるかわ・いちべえ)が、運鈍根を座右の銘としていたそうです。
 古河市兵衛は、足尾銅山などを経営し鉱山王と称され、古河財閥を築き、後の古河電工、古河機械金属、富士電機、富士通などの源流となった人です。
 ちなみに、東京の北区にある古河庭園があります。