1. 実りの秋
「食欲の秋」を書こうとしたら、いきなり「実りの秋(みのりのあき)」という言葉が浮かんできました。「実りの秋」があるから、「食欲の秋」があることにつながります。
日本には四季折々の食べ物があります。この中で特に「実りの秋」は特別な季節です。幾つかの意味があります。
① 農業的な意味
自然の恵みとして、穀物・野菜・果物などの多品種の農作物が豊富に収穫される季節です。
② 行事の意味
秋祭りや収穫祭など地域の伝統行事、紅葉狩りやハイキングなどの行楽の季節であり、自然への感謝を表わす季節です。
③ 芸術の意味
芸術の発表や展示する季節で、成果を発表する季節です。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という諺があります。
この意味は、稲が成熟して実が豊かになるほど穂が垂れ下がるように、知識や能力や人格が身につくほど謙虚になることです。
この諺は、言うはやさしいが、行いがたしと言えます。
2. 食欲の秋
「食欲の秋(しょくよくのあき)」は、季節の味覚を楽しみ喜ぶ言葉のひとつです。
秋になると食べ物がおいしく感じられ、自然と食欲が増します。
これは単なる感覚的な表現ではなく、「実りの秋」のように幾つかの意味が含まれます。
① 収穫の季節
秋には、米、果物、野菜、魚など多くの食材が旬を迎える季節となります。
このように自然の恵みが豊富に揃い、食卓の彩りが豊かになり、「食欲」が刺激されます。
秋の代表的な産物として、新米、柿、梨、栗、さつまいも、きのこ、秋刀魚などがあります。
② 気候の変化
秋になりますと、夏の暑さが和らぎ、涼しくなります。
いつの間にか体調が良くなり、消化機能も活発になり、食欲が自然と増えます。人間は冬眠動物でないが、秋になると自然に食欲が増します。
③ つながる季節
「実りの秋」、「食欲の秋」のように、「○○の秋」という表現が他にあります。
「読書の秋」「スポーツの秋」「芸術の秋」などがあります。
秋になると「心身が自然や文化と気分的につながる」季節になります。
3. 医食同源
① 医食同源とは
医食同源(いしょくどうげん)の意味は、「病気を治す医療」と「毎日摂るよい食事」は、生命と健康を維持し続けることにおいて、その源は同じであるという考え方だということです。そうだと思います。
② 食事の意義
食事には次の三つの意義があると思います。
a. 生命維持と病気回復の食事
食事をしなければ、衰弱して死に至ります。食事は、生きるための必須の仕事と言えます。
食事は、生命を維持するために必要なエネルギーや栄養素を取り入れ、空腹を満たし安心感と満足感を得ることです。
もう一つあります。病気の体を回復するには食事が大事です。とくに入院中の患者には、管理栄養士が献立を作っています。
b. 楽しむ食事
楽しむ食事には、料理を楽しむということと人と交流しながら楽しむ食事があります。
c. 季節と地域の文化を味わう食事
季節ごとの食材や地域の食材は、文化です。この文化を味わい、自然と文化に感謝する食事です。
③ よい食事の取り方
よい食事は、「栄養バランスのよい食事を摂る」ことです。実際は非常に難しいです。栄養士のような知識がない人に栄養のバランスをとることができるでしょうか。
食材は、形や大きさがまちまちで、栄養分析表には100g当たり○○の栄養素が△△gあるといっても、まるで現実とかけ離れています。ただ、その栄養素の表を掲示しました。参考になると思います。
偏らず、できるだけ多くの種類の食材を摂ることです。
五大栄養素と機能・主な食品を次表に示します。
なお、料理でも外食でも、塩分の摂取をできるだけ少なくするのが望ましいです。一日の塩分の摂取量は6gまでと言われています。
また、塩分の排出をしてくれるものとしてカリウムがあります。カリウムを多く含んだ食品を食べるといいです。
④ まごわやさしいね
「まごわやさしい」は、食材の頭文字を語呂合わせにつないで、和食の基本の合い言葉だそうです。自分は、これに「ね」を追加しました。
そうしますと、食材を8つに分類し、よりよい健康的な食生活をできると思います。これを、次表にまとめました。