26-8 春に眠くなるのは

 

 「春眠(しゅんみん)曉(あかつき)を覚えず」という有名な句があります。
 この句の意味は、春の朝は起きられず、寝床でうつらうつらしていることです。

 また「春宵(しゅんしょう)一刻値(あたい)千金」という有名な句があります。
 この句の意味は、春の夜は、短い時間の景観が千金の値がするということです。春は夜遅くまで外で花や月を眺めることで、夜遊びを楽しみます。

 春爛漫という言葉があります。これは、春になると桜の花などが咲き乱れ、草木が茂りだし、人の心も明るくしてくれます。

 「春のうららの隅田川」のように歌の文句ではないが、春は行楽の季節といえます。疲れてぐっすりと寝込んでしまいます。朝が起きにくいこともあります。

 春は、他の季節と違い、ことのほか生活様式が乱れる特別な季節といえます。調べて見ました。

1. 春に眠くなるのは何故か?
 「春に眠くなる」のは、寒い季節から暑い季節への途中の季節で、体の調子が乱れやすくなります。自然の反応と言えるようです。春に眠くなる理由を、いくつか挙げてみます。

1.1. 寒暖差による自律神経の疲労
 冬から春に変わりますと、温かい日と寒い日が入り混じり、1日の中でも気温差が大きくなります。すると、体温を調整するための自律神経が全力で活動しますので、自律神経が疲労し、体が疲れやすくなり、だるさや眠気が出やすくなります。

1.2. 日照時間が長くなることによる体内時計の乱れ
 人の体は体内時計によって、眠気や覚醒を調整しています。
 春は冬より日の出が早くなり、体内時計がずれて、メラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が乱れ、体内時計が新しい調子に追いつくまで、日中に眠気を感じやすくなります。

1.3. 気圧の変化による酸素濃度の変化
 春は低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わり、酸素濃度の変化によるだるさや眠気が出やすくなります。

1.4. 生活環境の変化による緊張や疲労
 春は日本の習慣として、入学・就職・進学・人事異動・転居・新年度の始まりや花見などの夜遊びなど、生活環境の変化する時期です。知らないうちに心理的な負担が増え、脳や体が自然に休もうとして、眠気が強くなります。

1.5. 薬害による体調の変化
 花粉症やアレルギー性鼻炎などに用いられる抗ヒスタミン薬を使っている人は、薬の副作用で眠気や口の渇きが出やすくなります。

2. 春の眠気を和らげる方法とは?
① 朝は太陽の光を数十秒でも浴びて、体内時計を春の季節に合うようにします。そうしますと、交感神経への切り替えが円滑になります。

② 短い時間の昼寝は、午後の集中力を回復します。
 僕は会社で仕事をしていた頃は、昼食後、会議室で椅子を並べて短時間の昼寝をしました。
 今では、眠くなったらソファーに横になり短時間の昼寝をします。

③ 夜は40℃のぬるま湯でゆっくり入ると、副交感神経が優になり、深い睡眠につながります。
 僕は、春はまだ体が冷えているので42℃の湯に5分ぐらい入ります。風呂から出たら、ふくらはぎなどの屈伸体操を少しします。それから寝床に入りますと直ぐ寝れます。

④ 花粉症などの薬で眠気を起す人は、医師や薬剤師に相談するとよいでしょう。

 春に眠気があるのは、その人が春の訪れを感じる感性があるからだと思います。

3. 春の眠気とは関係ない、本居宣長(もとおり・のりなが)の「山桜」の和歌
3.1.  本居宣長とは
 本居宣長(1730–1801)は、江戸時代中期を代表とする国学者・文献学者・医者です。
 昼は医者として働き、夜は古典の研究に没頭し、日本文化の根源を探求しました。

3.2. 功績
① 日本最古の歴史書『古事記』を35年かけて44巻に『古事記伝』として注釈しました。

② 『源氏物語』を注釈書・評論書した全9巻の『源氏物語玉の小櫛(おぐし)』を著わしました。
 『源氏物語』の本質を「もののあはれ(しみじみとした深い感情)」とし提唱しました。

③ 国学を体系化し、「日本らしさ」を学問として確立しました。
  本居宣長は、契沖・賀茂真淵らの学問を継承し、平田篤胤らへ受け継がれ、幕末から明治の思想にも影響を及ぼしました。

④ 随筆として『玉勝間』があります。

⑤ 門弟を育成しました。

⑥ 町医者として、夜でも正月でも患者がいれば診察し、往診もいとわなかった。

3.3. 歌人として「日本人の心」を山桜の和歌に

 『敷島の 大和心を 人問はば 朝日ににほふ 山桜花

 意味は、「日本人とは何かと問われれば、朝日に照り映える山桜のようなものだと答えよう」です。

 吉野山の桜のようにたくさんあるの山桜と違って、山に一本の桜が咲いているとしたら、あなたはどう感じるでしょうかね。

●川辺に咲く山桜の写真